基礎コンクリートの寿命を延ばすことができる基礎補強工事は、どのような物件にも必要な施工です。その中でもFRP基礎補強工法とは、どのような工法を指しているのでしょうか。
今回は、基礎補強工事のFRP基礎補強工法について紹介していくので、参考にしてみてください。
基礎補強工事とは?
基礎コンクリートの寿命は、30年が平均とされています。しかし水分や炭酸ガスなど、弱点も多いことから、劣化するスピードはさらに早まる可能性が高いと言われているのが特徴です。
そういった劣化現象から基礎コンクリートを守ってくれるのが基礎補強工事になります。基礎補強工事は、基礎コンクリートを強化して、寿命を延ばしてくれる効果が期待できるので、住宅の寿命自体を延ばすことが可能です。
また若い基礎コンクリートの状態で、基礎補強工事を実施した方が、強度を保ったまま、半永久的に基礎コンクリートの寿命を延ばすことができるので、早めに実施した方がいいでしょう。
FRP基礎補強工法について
基礎補強工事には、いくつか種類があります。その中の一つが「FRP基礎補強工法」です。FRP基礎補強工法は、古い基礎の立ち上がり部分を補強することで、基礎の耐震力を上げる工法で、根本的に基礎コンクリートの強度を上げることができます。
工程としては、まず基礎の検査を実施することが開始し、鉄筋の有無や状況をチェックするのが特徴です。
次に耐震改修設計を実施します。建物の状態や補強状況に合わせて、どのような補強を実施するのか緻密に計算するために、必要な対応です。
改修工事前の準備として、事前処理や下地処理を実施します。基礎にひび割れが発生している場合は補修し、補修用の塗装モルタルが現在の基礎と一体的になるように、基礎の表面を少し削って塗料や汚れを剥がす準備が必要です。
事前準備が完了した後は、グリッド固定を実施します。鉄筋の代わりになるFRPグリッドを現在の基礎に、専用のアンカーピンで固定し、FRPグリッド製品シリーズのERモルタルを塗り込んでいくのです。
最後は、FRPグリッド露出部を処理します。換気口や開口部など、グリッドがモルタルで保護されずに紫外線にさらされているので、保護塗装をして完了です。
FRP基礎補強工法のメリット
FRP基礎補強工法は、鉄筋の代わりに、グリッド状に成形した「炭素繊維とガラス繊維」を利用します。
FRPグリッドは、鉄筋と比較すると軽量なのですが、鉄筋の数倍の引張強度を持っているのが特徴です。錆びることもないので、劣化の心配も少ないでしょう。
鉄筋の場合は、鉄筋を組むための結束が必要になり、厚みが増えてしまいます。しかしFRPグリッドであれば、かぶり厚さなどが不要であるため、厚みも少なく、簡単に補強工事を実施することが可能です。
また家にいながらでも実施してもらうことができる、補強工事の種類なので、気軽に相談することができるのも嬉しいメリットになります。
基礎補強工事は専門業者に相談
基礎補強工事は、住宅の寿命を延ばすために大切な施工であるため、まずは専門業者に相談して、基礎コンクリートがどのような状態なのか確認してもらうことが大切です。
その中で、適切な基礎補強工事を実施してもらうことで、基礎コンクリートの耐久力を向上してもらうことができます。
今回紹介したFRP基礎補強工法は、簡単に実施することができる基礎補強工事で、家にいながら実施してもらえるのが特徴です。
工事をしている間に、別の場所で待機するといった面倒なことも必要ないので、比較的気軽に試すことができます。
どのような基礎補強工事がいいのか、専門業者と相談して、理想的な補強工事を選択していきましょう。
基礎補強工事は、早めに実施した方が基礎コンクリートを強化することができるので、ぜひ検討してみてください。